2008年4月20日日曜日

HHV-6が慢性疲労症候群やうつ病に関連

4月17日~18日に開かれた日本感染症学会の教育講演15で東京慈恵医大ウイルス学の近藤一博先生が「ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患」と題する講演をされ、その中で、HHV-6というウイルスが慢性疲労症候群やうつ病と関連している成績を示されました。



HHV-6はマクロファージや脳のグリア細胞に持続感染しているため、再活性化すると免疫異常や精神神経障碍をおこす可能性があること、再活性化を示唆する抗体が慢性疲労症候群でうつがある症例、うつ病、躁うつ病で健常人より高い陽性率であること、再活性化は仕事による生理的な疲労でも起こりうることを示されました。
こういう成績を見ると、無理のし過ぎは良くないと思われました。
詳しい内容がネット上に公開されています。興味のある方は下記HPをご覧下さい。



http://www.jst.go.jp/shincho/db/seika/2005_s/2005_s_3/2005_s_3_hiroukan/2005_s_3_hiroukan_1_1_4.htm



2008年4月11日金曜日

1期生の田淵さんのHPを見て②

田淵さんのHPで目を引いたのが、ドバイ観光記事でした。



休み期間に、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビと中国の特別行政区の香港とマカオを訪問した。ドバイとマカオは建築ラッシュで、特にドバイはワッと驚くようなすごい建築が立ち並んでいた。



ドバイの超高層ビル群や香港のフィナンシャルビルにも、びっくりしたが、一番凄いと思ったのは、アブダビに建設中のシェイクザイードモスクであった。一点の隈もない白い大理石に、きれいな石がアラビア風に象嵌されていた。内部の飾りもすばらしいものであった。



ドバイに関連した医療の話題としてはメディカルツーリズムに力を入れていることです。



Medical Tourism Dubai - Healthcare Tourism Dubai
http://www.recoverdiscover.com/medical-tourism-dubai.php



メディカル・ツーリズムとは、治療や手術を受けるために他国に旅行することをいい、医療と観光という高い技術力とホスピタリティとを組み合わせた複合サービス産業です。
アメリカではメディカル・ツーリズム市場が毎年30%成長しており、2010年までに400億ドル市場になると言われています。 メディカル・ツーリズムでのアメリカ人の行き先はインド、タイ、ドバイが多く、シンガポールでも整備が進められています。
http://muratainc.com/review/y2008/vol113.html



こういった文章を読むと、医療費抑制で、診療が萎縮傾向にある日本とは対極にある医療のように思えます。そのうちに技術を持ちながら、抑制だらけで閉塞感を強く持った日本の医師達が海外、特に東南アジアのメディカルツーリズムの担い手として流出する時代が来るかもしれません。



2008年4月6日日曜日

1期生の田淵さんのHPを見て①

拡大内視鏡について調べることがあり、Googleで検索すると1期生の田淵さんのHPが目にとまりました。  http://www2u.biglobe.ne.jp/~a000/



HPにはご自身が医師になる課程で体験された病気の経験から導き出された医師のあるべき姿や世界で今おこっていることなどが書かれており、知的好奇心が刺激されました。
何回かに分けて感想を述べていきたいと思います。



医師の原点について田淵さんは以下のように記載されています。病気を体験した医師ほど患者さんの立場にたって考えられる医師はいないと思いますし、仕事に対する思い入れも人一倍であることが多いように思います。また、思い入れが強い分、少々の困難があってもそれを乗り越えることができるように思います。私自身は、大病を患ったことはありませんが、父親の大病が自分の現在の専門分野になっており、多少田淵さんの生き方に似ているように思います。自分の原点を見直すいい機会を与えてくれたと思います。



大学のとき、私自身が難病を患い、特定疾患患者となって、病気の怖さ・切なさを嫌というほど味わい、病気を治す、患者を治すという医師の使命の大切さを、心の底から実感した。だから、自らの専門を決めるとき、迷いは一切なく、自分の病気を専門とした。



下記の文章にも共感を覚えます。私が専門にしている肝臓癌も20年前には5年生存を目標にしていましたが、今は10年生存が目標となり、さらには発癌予防も可能になってきています。ただ、ここまで来るまでには多くの患者さんの死がありましたし、いまだに不条理な死を迎えないと行けない患者さんがいることも事実です。少しでもいい医療を提供できるよう日々切磋琢磨することが医師の使命であり、その積み重ねが気がついたら予後を改善していたことにつながると思います。



医師国家試験に合格して臨床に入ってみると、私の病状などとは比べものにならない、悲惨な患者さんが多数いた。治らない病気も数多く、効果的な治療法がなく、死んでいく人々の山であった。治療法があって克服された病気と、そうでなく克服されていない病気、その差は歴然としていた。川におぼれて死のふちへと流されていく人々を救うには、方法があれば、どんなに費用がかかろうとも、救うというのが、24年前の常識であった。「人の命は地球より重い」当時の閣僚の言葉である。