現在、アメリカの医療制度の問題を扱った映画「シッコ」が公開されていますが、その中で、監督マイケル・ムーア、米国の医療制度に見捨てられた患者さんたちを引き連れてキューバの病院に向かうというシーンがあります。
キューバの医療に興味を持ち、「世界がキューバ医療を手本にするわけ (単行本) 吉田 太郎 (著)」を購入して読んでみました。
経済封鎖でないないづくしのキューバですが、工夫をしながら医療を行って驚くほどの低コストの医療が実現していることが分かりました。医療費抑制が声高に叫ばれているわが国ですが、キューバのように発想を変えればもっと無駄が省けて今以上に医療費削減はできると思いました。ただそのためには当事者全員の意識を変えることが大前提と思います。
印象に残ったのは旧式のパソコンとリナックスを使って関係者全員が電子医療情報を交換できるようになったことです。
電子カルテで汲々としていますが、本書を読んで電子化して本当に利用する情報は何か?そのために必要な最低のスペックは?と質問していくと、今の電子カルテシステムが昔の手作業のカルテ業務を単に電子化しただけで、本当に必要な情報を電子化して利用できているのかと思うようになりました。
また、本書では「キューバでは病気を治すことがビジネスにはなっていない。医師はビジネスではなく職業です」という記載もありましたが、これも考えさせられる文章でした。医師という職業とは、医療とは何か、とあれこれ考えさせられる一冊でした。
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